【開催報告】第11回 量子固体Flagshipセミナー
第11回Q-LEAP Flagship Seminarが2025年12月8日に開催され、Johannes Gutenberg University MainzよりArne Wickenbrock博士をお招きし、「神経外科のためのダイヤモンドベース量子センシング」と題した最先端の研究をご紹介いただきました。
講演では、ドイツ政府の磁気計測プロジェクトを概説し、蒸気セルとNVセンタ磁気測定の比較を通じて、NVダイヤモンドセンサが特に微小サンプルや高空間分解能を要するアプリケーションに優れる点を強調されました。マイクロ波フリーやゼロ磁場磁気測定、そしてCTスキャンに類似した3Dベクトル磁場イメージングを可能にする革新的なダイヤモンド光学系など、博士のグループが開発する高度なセンシング技術が詳細に紹介されました。
博士の所属するBudkerグループが主導するDIAQNOSプロジェクトでは、神経外科手術における腫瘍除去と脳機能温存をターゲットとしており、内視鏡型量子神経アナライザーの開発を通じて、リアルタイムの磁気生理学、磁気共鳴マップ、導電率測定を目指しています。その実現に向けたダイヤモンドセンサを用いたヒト心磁図(MCG)の測定成功が報告されました。将来的な磁束集中器やゼロ磁場NMRによる感度向上、日本との共同研究についても言及され、量子センシングが医療分野にもたらす大きな可能性が示されました。参加者からは活発な質疑応答があり、大変有意義なセミナーとなりました。


